日本とはまったく違ったイタリアの勉強スタイル
理系科目に加えて歴史や地理、外国語学習が好きで、かねてから「日本の外に飛び出して未知の文化を全身で体感し、世界観を広げたい」と考えていました。 留学先にイタリアを選んだ決め手は、古代ローマ史に興味があったこと、2回の旅行を通して現地の人の明るく陽気な性格や風光明媚な土地、豊かな文化的風土に魅せられたからです。
しかし、いざ授業を受けると進度が早く、求められる知識量や理解度に日本との圧倒的な差を感じて愕然。 日本にはない口頭試験も経験し、これまでの「問いに対して正解を用意する」という日本での受動的な勉強方法が全く通用しないことを悟ったのです。 そこで、「自分で主な論点を見極めて整理し、きちんと理解した上で、人に説明できるようにする」という意識を根底から変えることに。その時、留学して半年が過ぎていました。
勉強を通じて身につけた積極性は一生の財産
それからは、授業に対する姿勢も変わり、議論に積極的に参加するように。おかげで自分にはない考えや理解不足などに気づき、広く深い視野を養うことができました。 友達の輪もどんどん広がり、1日の終わりのアペリティーヴォや休日の夕食会は至福のひとときとに。他国の留学生との異文化トークは楽しいだけでなく、語学力を飛躍的にアップさせる手助けにもなってくれます。 このような勉学への積極的な姿勢は、今後の人生のあらゆる場面で役に立つと確信しています。 イタリアから日本社会を振り返ると、型にこだわる閉鎖的な部分や、建設的な議論を避ける風潮がまだまだ残っているように感じます。
これは世界規模で目まぐるしい技術革新が進む現代では、発展の妨げになってしまうのではないでしょうか。 帰国後は公官庁におけるテクノクラートとして働き、イタリアで学んだ知識や姿勢を活かしつつ、そのような土壌を国から変えていきたいです。