その後 本当にやりたいことに挑戦しようとイタリアへ

曽我部 剛

TSUYOSHI SOGABE

先輩 Interview

インテリアデザイナーの曽我部剛さん。1966年創立のヨーロッパ有数のデザイン学校、IED (Istituto Europeo di Design) に留学し、現在はイタリアの建築事務所で活躍されています。

留学体験談

インテリアデザインへのきっかけは 商品カタログの“ひと部屋”

「一番はじめにインテリアに興味を持ったのは中学生の頃、電化製品のカタログを見たときでした」と曽我部さんは振り返ります。
「自分で貯めたお小遣いでラジカセの購入を検討していた時、とても素敵な部屋に置かれたラジカセの商品ページを見て、商品よりもその素敵な部屋に興味を持ったことを覚えています。『こういう部屋は誰が考えるの?』と母に尋ねると、『インテリアコーディネーターとかじゃない?』という母の答えを聞いて、そういう仕事があることを知りました」
インテリアに興味を持ったものの、両親の勧めもあってエスカレータ式に大学へ進み、化学を専攻します。いざ、就職となり、自分の本当にやりたいことを見つめ直した時、専攻とは違う設計やインテリアの仕事に就きたいと思うようになり、営業、設計、工事のジョブローテーションのある大手住宅メーカーに営業職として就職します。

本当にやりたいことに挑戦しようとイタリアへ

曽我部さんは、独学で二級建築士の資格を取得し、設計部署への異動の希望を出しつつ、日々の営業業務に邁進します。
「ある日、インテリア雑誌で『イタリアでインテリアが勉強できるIED』の記事を見つけました。きちんとインテリアを勉強したことがない自分にとって、『ラジカセが飾られている素敵な部屋』と同じくらいに印象的で夢が膨らむ記事でした」
IEDへの留学を漠然と夢見ていた曽我部さんは、入社8年目に上司から「次はモデルハウスの店長を考えている」と言われます。
「日々の業務の手は抜きたくないが、営業を頑張れば自分の目標とは違う方向に進んでしまう、というジレンマを抱える日々が続きました。そんな時に、イタリア留学の夢が自分の中で再び浮上してきました。このままスッキリしない日々を過ごすより、ダメ元でも良いから自分のやりたい事に挑戦してみよう、と」
一年後、曽我部さんは、IEDの3年制のインテリアデザインコースに入学し、イタリアでの生活を始めます。

留学の目的「イタリアでの就職」を貫く

「当時すでに30歳を超えていた私の留学は、単に良い経験や思い出で終わらせるわけにはいかず、必ず就職という形で次につなげなければなりませんでした」
イタリアでは日本と違い、皆一斉に始まる就職活動はないので、在学中からポートフォリオや他の学生とは違う「ネタ」の用意は重要だと曽我部さんは言います。
「在学中にIEDで出会った戸野教授指導の下、チームを結成し、ミラノサローネへの作品制作を行いました。在学2年目には自ら展示スペースを探して展示イベントを行い、3年目には事前審査を通過してミラノサローネ・サテリテ会場での展示が叶いました」
IED修了後には戸野教授の紹介で現在の建築事務所に就職。他の有名デザイン事務所の紹介も受けましたが、イタリアで就職できることを念頭に、現在の建築事務所を選びました。

2010年Salone SatelliteにIEDチームとして出展

「イタリアでは通常インターンシップが設けられています。私も約1年のインターンシップを経て今の事務所に雇用されました。日本のように皆が一斉に雇用されてキャリアがスタートすることはなく、あくまで個人のペースで行います。ですから、自由で良い反面、自分で行動しないと何も進まない厳しい面もあると思います」

手がけた別荘デザインの内装

大事なのはよく考えて次につなげること

最後に、これからイタリア留学を考えている皆さんへ、メッセージをお願いしました。
「キャリア形成のために重要なことは、その都度よく考え、次につなげることだと思います。よく考えて行動した結果の積み重ねが経験や経歴になります。たまたま上手くいったこと、あるいは失敗したということよりも、そこから次にどうつなげるかが重要なことだと思っています。私も紆余曲折あって、たまたまイタリアに残っていますが、いろいろな経験やたくさんの人達との出会いが、自分をここまで導いてくれたと思っています。皆さんも思い切って飛び込んでみると、意外と面白いことが待っているかもしれませんよ」

手がけたショップデザインの内装
  • IEDで学んで得たものは何ですか?
  • 国際感覚です。すでに営業などの仕事の経験を積んでからの留学だったので、IEDではやはり日本では得られない経験を積みたいと考えていました。 イタリア人だけでなく、韓国人やフィリピン人、ロシア人にポーランド人、イスラエル人達とプロジェクトを行う中で、互いの「常識や普通」といったものをいかに尊重し合えるか考えていました。
  • どうやって就職先を決めて、イタリアで就職したのですか?
  • 就職先を決める大きな要因となったのは、家族を養い、自分のやりたいことで生計を立てている日本人の先輩方の存在です。 現職に就けたのは、日本での仕事の経験が基盤となっています。当時の自分にとって少し難しいイタリア語でも、業務内容は十分理解できましたし、営業の業務経験を積んでいたおかげでクライアントへの内容の伝え方や交渉などが得意で、今もそれが強みになっています。