この分野の特徴
世界中で人気のイタリア料理やイタリアの「食」に関してさまざまな角度から学ぶことができます。
一流のシェフを育てる料理学校のほか、ソムリエの資格を取るためのコースなど専門学校も多い分野ですが、「食」を科学的、社会学的観点から学ぶ食科学大学、大学院のコースも用意されています。
イタリアならではのこの分野では、バリエーションに富んだ学びの場の中から、留学期間、学費、カリキュラム構成、職種など、目的によりご自身に合う留学先を選べます。
美食は特別なものではなく、日常生活の中の「食」を第一に考えるのがイタリアの特徴です。
スローフード運動
「食」の急激なグローバル化に疑問を唱え、その土地本来の食材や食文化を見直そうというスローフード運動は、1986年にイタリアで誕生したものです。スローフード誕生の地に近いトリノでは、隔年で「サローネ・デル・グスト」が開催されます。イタリア中の伝統的な食材から最新の「食」までが一堂に会する見本市に、世界中から「食」のプロが集合します。
「食」を体験
「食」が中心のお祭りやイベントが多いのもイタリアの魅力です。野菜や果物、きのこなどの収穫祭のほか、大学の町ペルージャがチョコレートの香りで満たされる「ユーロチョコレート」のようなイベントもあります。
また、農家に宿泊し農業をプチ体験したり、農家の食事を味わうことのできるアグリツーリズモも人気です。レモン農家からワイナリーまで、イタリアのさまざまな「食」の現場を直接目にし、触れて、味わうことができるのが特徴です。
イタリアの暮らしに根付いた食文化への高い意識は、留学生活に大きな刺激を与えます。学校の中だけではなく、数多くの食関連のイベントなどに訪れることで学びのチャンスを広げることができます。また、イベントに出展する世界各国の企業とプロに直接会えることで、次のステップに向けたネットワーキングもできるでしょう。
代表的な大学
学べる教育機関
食科学大学 University of Gastronomic Sciences
ピエモンテ州やエミリア・ロマーニャ州の協力の下、スローフード協会がガストロノミー分野での専門家養成を目的として2004年に設立した食科学大学は、まさに「食」に特化した大学です。「食」に関するテーマは、科学、文化、政治、経済、エコロジーと多岐にわたります。生産者から消費者まであらゆる立場から「食」について研究します。
ボローニャ大学 University of Bologna
「食とワイン」を専門とするMBAコースがあります。食品・飲料業での起業と経営、国際化を手がける人材を育成します。
その他
- ワインのためのぶどうの栽培から醸造までを、科学的に学ぶコースもあります。ミラノ、フィレンツェなどのほか、中小の町の大学にもあるのが特徴です。
- 工学部系では食品科学工学が中心ですが、近年は食化学に社会学や経営学的観点からのアプローチを取り入れて学ぶことのできる大学も増えてきました。ボルツァーノ、パルマ、ウディネの各大学は、相互のジョイントプログラムで、Food Sciences for Innovation and Authenticityを開講しています。
Topics
ワインやオリーブオイルをはじめ、穀物類、生鮮食品から、チョコレート、コーヒー、香辛料にいたるまで、イタリアはあらゆる食品を輸出しています。その額は2019年には約446億ユーと前年比5.3%増*、輸出先も米国、欧州、アジアと世界中に及びます。