その後 10年タームで、これからの人生をデザインしてみる

福田 健

TAKESHI FUKUDA

先輩 Interview

日本のファッション業界で働く福田 健さんです。
MilanoのIstituto Marangoniに留学し、現在イタリアのファッションブランド「ブリオーニ」のプランナーとして活躍されています。

留学体験談

高校生でファッションに目覚める

「ファッション業界に興味を持ちはじめたのは高校生の頃、当時HIP HOPやR&Bといった音楽が流行っていて、そのファッションが自分のファッションへの入り口となりました。バイトをしては洋服にお金を使っていました。高校生活も半ばを過ぎた頃には、ファッション業界で将来、活躍したいと思うようになっていました」

イタリアでの活動経歴をもつ、日本人デザイナーの存在

福田さんは、高校生の頃、ファッション業界の中でも特にデザイナーの仕事に興味を持ちました。 「当時好きだったブランドの日本人デザイナーの経歴に、イタリアでデザイナーとして働いていたとありました。自分が好きなテイストは、この『イタリアでの経験』に関係があるのではないかと感じたのが、イタリアに興味を持ったきっかけです」
大学生、また就職してから、イタリアの他にもイギリス、アメリカ、ベルギー、そして日本と、各国のファッションやデザインの学校を見学して、Istituto Marangoniへの留学の意思を固めます。
「私はファッション業界の中でも特にメンズファッションに特化し、キャリアを積んでいきたいと思っていました。Istituto Marangoniはエルメネジルドゼニアと提携し、メンズファッションに特化したコースを運営していたため、自分の将来への架け橋になると信じていました」

友達と一緒に

10年タームで、これからの人生をデザインしてみる

「勤めていた百貨店を休職し、Istituto Marangoniに留学した福田さんは、入学前から、10年タームのキャリアプランを思い描いていました。
「1年目はファッションデザインのベーシックを学ぶインテンシィブコースを受講し、その後メンズファッションに特化したメンズファッションデザインのマスターコースに進学し、上手くいけば、エルメネジルドゼニアでデザイナーとして働きたいという希望を抱いて入学しました」
「デザインの分野を本格的に学ぶのは初めてだったので、毎日出される課題や、3ヶ月に一度の試験をこなしていくことは、とてもハードでした。もう期限に間に合わないかもしれない、課題をやりきることができないかもしれないと、何度も思いましたが、その度に、いや自分は出来るんだと呪文のように唱えながら、課題に取り組みました。おかげで『物事をやりきる力』がつきました」
その結果、念願だったエルメネジルドゼニアでデザイナーとしてインターンシップをすることとなりました。
「Istituto Marangoniを卒業後、幸運にもエルメネジルドゼニアからインターシップのチャンスを与えられ、休職中だった百貨店を思い切って退職し、チャレンジ。その後イタリアでずっと働き続けることも考えましたが、生活費などの問題で日本に帰国する道を選びました」
帰国後は、セレクトショップでのオリジナル商品の開発などを経て、百貨店での就業経験を活かし、マーチャンダイザーとしてキャリアを重ねてきました。
「現在はブリオーニジャパンでプランナーとして働いています。ジャパン社ではマーチャンダイズの部署は私ひとりなので、裁量範囲が大きい反面、責任は重く感じます。自分が開発したり、仕入れたりした商品が世に出て、売れることは、この仕事の醍醐味です」

ブリオーニジャパンでのプロダクトトレーニング

目標を具体的にイメージする

「販売員、フロアマネージャー、デザイナー、マーチャンダイザー。紆余曲折を経て今の仕事に就いています。キャリア形成で重要なことは、何を成し遂げたいのか、何を仕事としたいのかを、出来る限り具体的にイメージして、そこにたどり着けるよう努力を重ねることだと思います。また、自分の思い通りに行かないときにどうするのかも重要です」
「現在はマーチャンダイザーとして働いていますが、今でもまたデザインの仕事をしたいと思っています。ファッション業界の良い点は、どんな職種にでもチャレンジできることです。自分が興味を持ったことに、とことん取り組んでいれば、必ず道は開けると思います」

ブリオーニ・ミラノのショールーム

 

  • 他の国ではなく、イタリアに留学すると決めた理由は?
  • まず「Istituto Marangoniで学びたい」ということ、さらにイタリアの文化的背景が決め手となりました。 留学生活を充実させるためには、食事やその土地、そこで暮らす人々と一緒に生活していけるかどうかも重要です。 イタリアのファッションのテイストも好きでしたが、ミラノという都市の規模、ミラノで暮らす人々、保守的でありながら異文化の人々に対してとても寛容な側面などが私にフィットしていると感じました。
  • Istituto Marangoniで学んでよかった点は?
  • “物事をやりきる力”を得たことと、“多様性の中で生きて行く力”を身につけたことです。 学年に日本人が自分一人で、他の国の人たちに負けたくないという想いを抱きながら課題に取り組んでいました。ただ、時には分からないこともあり、他の国の人たちに助けを請うこともありました。 良きライバル、良き友人として切磋琢磨する。これは現在でも、日本人として誇りを持ちつつ、他の国の人と切磋琢磨して仕事をすることにつながっていて、Istituto Marangoniでベースを培うことができたと思っています。