学校と工房でデザインを学び、自分の工房をオープン

黒沢 卓也

さん

イタリアで職人技をより磨き、自分のデザインを提案できるプロになりました。

留学体験談

デザインを提案できるジュエリー職人を目指して

ジュエリー職人として仕事をしていましたが、お客様の要望で初めてデザインしたジュエリーを作った時にとても喜ばれ、これからは職人でもデザインを提案できれば、より楽しく働けるのではないかと感じ、デザインを学ぶことにしました。自分の中では「ジュエリーデザイン=イタリア」というイメージがあったため、早速イタリア文化会館に電話。数ある情報の中から選んだのがLE ARTI ORAFEでした。
学校から資料を送ってもらい、仕事を続けながら一年間イタリア語を勉強。出発半年前には、イタリア文化会館のイタリア語コースを受講しました。イタリア人に直接聞けるので語学準備に大いに役立ちました。

デザインは思っていたよりもずっと難しく、卒業制作では産みの苦しみを体験しました。卒業後は、学校で教員をしていたデザイナーの紹介でフィレンツェの工房で働くことになりました。しかし、フィレンツェ独特の方言の壁もあり、仲間にプロと認めてもらえるまでは辛い期間でした。

専門学校の様子
教会の中庭で行われた卒業制作&ショー
賞をいただいた卒業制作のデザイン画と、それを元にスワロフスキー提供のパールを使って制作したリングとペンダント

衝突しても、話し合って形になるイタリアンジュエリー

苦労したフィレンツェ方言ですが、楽しい思い出もあります。コレクション前の忙しい時期、方言で職人の唄を教わり、皆で歌いながら仕事をしました。職人のおじいさん達が綺麗な韻を踏みながらつなげていく唄は意味深く、心地よい響きでした。時には衝突しながらも、話し合ってきちんと形にしていくイタリアンジュエリーの魅力の源流を感じました。
現在、イタリアに留学したおかげで「OFARO(オファーロ)」という工房を地元にオープンさせることができました。日々、お客様とデザインをやりとりしながら、楽しく制作しています。

フィレンツェの工房にて
OFAROの作業台