温泉の旅

トスカーナ州モンテカティーニ・テルメは、イタリアでも有数の歴史ある温泉リゾート。ローマ時代から続くこの温泉地に、18世紀後半当時のトスカーナ大公が本格的な温泉施設を建設しました。ミネラル成分たっぷりの温泉水は美肌やさまざまな症状の治癒効果があり、ヴェルディやプッチーニといった多数の著名人たちも保養のために滞在しました。

エミリア・ロマーニャ州のサルソマッジョーレもまた、ローマ帝国時代から愛されてきた由緒あるテルメ。地下約二千メートルから掘り出される天然温泉水は現代の環境汚染とはまったく無縁の純粋さです。塩分、カルシウム、マグネシウムなどの天然のミネラル成分を豊富に含んだ温泉水は、関節炎、気管支炎などに効果があるうえ、美肌づくりにも最適です。

ローマから約1時間、ラツィオ州の温泉地フィウッジは紀元前からの長い歴史を持つ“飲む”温泉。古くからローマ法王や貴族たちの信頼を得て来たフィウッジの温泉水は軟水のオリゴミネラルウォーター。利尿効果が非常に高く、「腎臓結石を溶かす」とも言われています。腎臓疾患の治療はもちろん、体内の浄化もばっちり。旅行者でも気軽に飲用できます。

保養地としてだけでなく、その景観の美しさでも知られているのがトスカーナとラツィオの州境にあるサトゥルニア・テルメ。肌と髪の美容効果が高いミネラルたっぷりのファンゴ（泥）温泉としても有名です。硫黄分を含んだ温泉水は川となり、石灰の棚を流れていきます。無料で入れる露天テルメもあるので、水着を持って出かけてみましょう。

炭酸水で有名なサン・ペッレグリーノは、ロンバルディア州ベルガモ近郊の温泉地です。16世紀に発見されたサン・ペッレグリーノ・テルメには、1900年代の初めに多くの温泉施設が建設され、温泉リゾートとして発展。リバティ様式の美しいテルメ施設、周囲の森林や渓谷などの自然は、当時のヨーロッパ貴族にも愛された魅力あふれる保養地です。

スイス国境に近いロンバルディア州のボルミオ・テルメ。冬はスキーなどウィンタースポーツのメッカとしても有名です。古代ローマ時代から湯治場として栄えて来たボルミオ・テルメの効能は、気管支炎や婦人科系疾患など。リラクゼーション効果満点のテルメで、スポーツ＆リラックスのヴァカンスを満喫してみましょう。