古代遺跡

数千年の歴史と文化

個性豊かな20の州と彩りあふれる「食」

歴史的に、大小さまざまな都市国家が競い合い切磋琢磨して個性豊かな文化を生み出してきました。

紀元前8世紀のローマ建国を祖に、その後古代ローマ帝国として栄えたイタリアには、歴史的建造物が多数あります。そして世界遺産の登録数は世界一を誇っています。古代遺跡の旅で辿るイタリアの歴史に迫ります。

ローマ

かつてローマ帝国として地中海一円を統一し、空前の繁栄を遂げた都市。しかし、時の流れによって当時の街の大部分が地中に埋もれており、今もなお古代ローマの遺跡の発掘調査が続き、貴重な文化財などが次々と発見されています。また、現在もなお地下に多くの遺跡が眠っており、開発等で地下を掘ることが極めて困難です。そのため大都市にもかかわらず、地下鉄は2線が走っているだけです。

コロッセオ

世界的に有名な円形競技場。かつて5万人を収容したと言われる巨大な競技場が、地下鉄の駅のすぐ目の前にそびえています。1階はドーリア様式、2階はイオニア様式、3階はコリント様式といった異なる建築様式が重なり、大きさだけでなく優美さも兼ね備えています。

ドムス・アウレア(黄金宮殿)

暴君と言われた皇帝ネロが建設した大宮殿。発掘されたのがルネサンス時代だったことから、ルネサンスの芸術家たちに大きな影響を与えました。その中で発掘された「ラオコーン像」は、大変珍しい古代ギリシャ時代の石像として、ヴァチカン博物館に収蔵されています。

パンテオン神殿

「万神殿(あらゆる神を祭った神殿)」という意味があるパンテオン。初代ローマ皇帝の側近によってパラティヌスの丘に建造されました。信仰の対象がキリスト教に移ってからも、その美しさゆえに建物が取り壊されることなく残り続けたと言われています。

フォロ・ロマーノ

フォロとは広場をあらわし、古代ローマの中心だった市民広場です。広場を囲むように元老院や神殿などの重要な施設があり、古代ローマの市民たちはこの広場に集まって民会を開いたとされています。

ポンペイ

西暦79年、ヴェスヴィオ火山の噴火によって灰に埋もれ、一瞬にして滅んでしまった悲劇の街。しかしその灰によって、昔の街並みがそのまま保存され、キリスト教の布教が広まる前の文化をうかがい知ることができます。

ポンペイ
秘儀荘

キリスト教以前の宗教儀式に使われていたと見られる建物。壁画の鮮やかな赤が印象的です。

逃げ遅れた人たちの姿

噴火当時、逃げ遅れた人々の上に灰が降り積もり、その灰はやがて固まり、空洞が残りました。研究者たちは、その空洞に石膏を流し込み、逃げ遅れた人々の姿を浮かび上がらせました。子どもに寄り添う母親、かばい合うように抱き合う恋人の姿など、石膏の人型はポンペイ市民の悲劇と人間の儚さを伝えています。

シチリア島

温暖な気候で美しい自然に恵まれたシチリア島には、古代ギリシャ、カルタゴ、ローマ、アラブ、ノルマンなど、シチリアを支配したそれぞれの時代の歴史や文化の足跡がいたるところに見られます。

温暖な気候で美しい自然に恵まれたシチリア島には、古代ギリシャ、カルタゴ、ローマ、アラブ、ノルマンなど、シチリアを支配したそれぞれの時代の歴史や文化の足跡がいたるところに見られます。

アグリジェント(神殿の谷)

紀元前の古代地中海世界の重要都市として栄えたアグリジェント。アーモンドの木々が茂る丘にはドーリア様式の神殿がいくつも残る「神殿の谷」が広がり、訪れた人々を魅了します。

シラクーザ
シラクーザ

紀元前8世紀にギリシャの植民地として建設され、古代ローマの哲学者キケロが賛美したシラクーザ。街を散策するとギリシャ神殿、ギリシャ劇場、ローマ劇場、バロック時代などのさまざまな建造物からシチリアの歴史を辿ることができます。

パエストゥム

紀元前6世紀に建てられたヘーラ神殿や、最も保存の良いドーリア様式の神殿と言われる「ネットゥーノ神殿」、約5kmに及ぶ古代の外壁など、古代「大ギリシャ」の繁栄を今に伝える街。水牛の飼育が盛んで、モッツァレラチーズ発祥の地としても知られています。

パエストゥム

ヴェローナ

「アレーナ・ディ・ヴェローナ」と言われる古代ローマ時代の円形闘技場があり、毎年6月から8月にかけて、世界最大規模の野外オペラが開催されます。オペラシーズンには、世界各国からも多くの観客が訪れます。

アレーナ・ディ・ヴェローナ