この度、日本の世界の優れた芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞(公益財団法人 日本美術協会主催)の第24回若手芸術家奨励制度発表の対象団体として、イタリアの保存修復高等研究所修復学校 Scuola di Alta Formazione e Studio (SAF) dell’Istituto Superiore per la Conservazione ed il Restauro (ISCR) が選ばれました。
世界文化賞や受賞団体ついては主催者のホームページをご覧下さい。また同賞の関連ニュースがこちらでご覧いただけます。
イタリアは、文化・芸術遺産の宝庫であるとともに、その保存修復でも最先端のレベルを誇っており、今回受賞した保存修復高等研究所修復学校をはじめ、イタリア各地の研究機関、大学(大学院)、美術学院、専門学校等が修復士の養成を行っています。
文化・芸術遺産の保存修復は、建築物やその装飾、壁画のような大規模なものから、絵画や手工芸品のようなものまで、素材も含めて、極めて多種多様です。それぞれの修復に関する高い専門的知識や技術も必要となるため、「修復」の中でも専門が細分化しています。
「修復」は、留学でも根強い人気の専門分野で、これまで数多くの日本人留学生が学んでいます。理論と実践の両方が不可欠で、教育機関の所在地にある諸機関や団体の連携・協力によって、その地域に特化した修復の実践ができるのも大きな魅力です。
さて、修復士を目指す場合に、イタリアの教育システムでは高等教育機関(大学、美術学院)での「修復」の学位取得は日本の修士課程修了レベルとなります。
大学では基礎と専攻課程の一貫コース(5年制)Combined Bachelor’s / Master’s degree programのみの開設です。
美術学院では、基礎(Corso di Diploma Primo Livello:Bachelor’s degree programと同等)と専攻(Corso di Diploma di Secondo Livello:Master’s degree programと同等)が一貫コース(5年制)のコースのみの開設です。
なお、美術学院での修復を学んだ方の留学体験記が当サイト内で読めますので、ご参考下さい。
また、この「保存修復」分野では、イタリアの研究機関や財団等が、国際的な若手研究者を対象にして、奨学金や研究助成を募集することもしばしばです。情報は当サイト内の留学ニュースでご案内します。こちらも是非ご覧下さい。